コチラ開発室です by G-mode

2007年11月15日

Vol.25 にゃんころ 不思議な農村

にゃんころ 不思議な農村
人気の「にゃんころ」シリーズ最新作では、畑で作物を育てたり、家畜を飼ったり、仲間のにゃんころとコミュニケーションを取ったり……と自由に農村の生活が楽しめます。
今回は、グラフィックデザインを担当した小林光と、プログラムを担当した合同会社イクシールの佐倉良宏さんが登場。コレクション要素の強い本作ならではの苦労話を語ります!
――まずは、「にゃんころ 不思議な農村」の開発が決定した経緯を教えてください。

小林もともとはディレクターが「村を作るゲーム」の企画を出していたんですけど、ただ人間が農作業をするだけではおもしろくないので、「にゃんころ」と組み合わせようということで企画が進みました。

――お二人は「にゃんころ」シリーズの前作「にゃんころ 不思議なフィッシング」でも開発に携わっていたそうですが、シリーズ作品として今回気を遣ったり意識した点はありますか?

小林前回登場したフグやイカといった動物、「かぶりもの」などはわざと絵柄を似せたり、基本のコンセプトデザインなどを継承したりと、「不思議なフィッシング」の続編的な作品ということは意識していました。
家の中やショップなどもシリーズの雰囲気や世界観を引き継いでいるので、以前のゲームをプレイした人も違和感なく遊んでもらえると思います。

佐倉そうですね。あがってきたデザインのデータが「不思議なフィッシング」寄りだったので、にゃんころの動きも前作とできるだけ同じような感じで作りました。

小林ちなみに監修のプロデューサーからは、「ゆるい雰囲気のゲームだから、普段の7割くらいの気持ちで描いてくれ」と言われたんです。なのでグラフィックデザインは、世界観に合うように細かく描き込まないよう気をつけてました。

佐倉あと、これまでの「にゃんころ」シリーズはあまりゲーマーじゃない人も遊んでくれていたので、その辺も念頭に置いていましたね。アイテム収集にしても、普通にプレイして半分以上は集められるけど、それ以上のやり込みポイントも用意していますし、ライトユーザーからコアユーザーまで幅広い方が楽しめるように工夫してあります。

――前作はグラフィックが3Dでしたが、また今回2Dに戻ったのはどうしてですか?

小林やっぱりアイテム数が多くてこまごましているので、3Dだと再現が難しいですよね。

佐倉今回、もし「3Dでお願いします」って話が出てたら「無理です」って即答してますよ(笑)。


――確かに農作物や家畜、建物、村に住むにゃんころとアイテム数が多くてコレクション要素がすごいですよね。農作物や家畜など、登場アイテムは全部でどのくらいあるんですか?

佐倉作物や家畜の副産物が全255種類で、かぶりものをあわせると270種類くらいになります。村に引っ越してくる「お友達にゃんころ」は60匹で、全員名前や色・柄、しゃべり方が違うんですよね。

小林そんなに描いたんだ……(笑)。グラフィックに関しては最初から計算しながら作業をしていたので計画通りに進んだんですが、アイテムのネタで苦労しました!
登場アイテムはまずディレクターがリストを作ってきて、僕と意見交換をしていたんですけど、「さすがに『小松菜』と『ほうれん草』は描き分けられないなぁ」とダメ出ししたりしました(笑)。「キャベツ」と「レタス」、「ミカン」と「オレンジ」なども描き分けが難しいと難色を示したんですけど、それは両方残ってます(笑)。
建物などもいくつか描きにくいものがありました。「平安京はちょっと難しいので、前方後円墳にしてください!」とか(笑)。


――農作物の中には突然変異するユニークな収穫物もありますが、それぞれのアイデアはどのように出てきたんですか?

佐倉あれも基本となる作物をもとにしてディレクターがネタを考えてました。「キャベツ」、「キャベスリー」、「キャベフォーー」とか、「ブルーベリー」、「ベリーベリー」、「ベリーナイス」とか三段活用っぽいものや駄洒落的なものが多かったですよね(笑)。

小林最初にリストを見た時はププッと笑ってたんですけど、実作業に入った時は凍りつきましたよ(笑)。実在しないものも多いし、「ベリーベリー」なんてどう描けばいいんだろう?と。
個人的には「俺俺オレンジ」といった駄洒落的なものが気に入ってます(笑)。僕も駄洒落は大好きなので、あのセンスはけっこう響きましたね。

――家畜の副産物も料理など多種多様ですね。

小林あの料理系アイコンも死ぬほど大変でした! 逆境に燃えるタイプなので楽しみながら作業したんですが、このサイズで「ジンギスカン」や「ひつまぶし」、「うな丼」、「イノシシ鍋」など、かなり頑張りましたよ。こんなに小さい「鍋」を描いたのは初めてかも(笑)。

――そういえばペットも実在しない動物がけっこういますよね?

小林ああ、にゃんころの顔系ペットですか?(笑)

佐倉キモかわいいですよね(笑)。「にゃんたうろす」とか。

小林それより僕がディレクターにツッコミを入れたいのは「にゃん面猫」ですよ!! 「そのままじゃん!」って(笑)。

佐倉「にゃん面猫」はウチの会社でもかなりツッコまれてました。
「これ、もともとネコだろう!?」とか、かなりウケましたね(笑)。


――「にゃん面猫」については、ユーザーの皆さんもプレイした時にぜひツッコんでいただきたいですね(笑)。 登場アイテムの数でかなり苦労されたようですが、その他に開発で印象に残っていることというとどんなところでしょうか?

佐倉仕様に関しては最初にキッチリと固まっていたので作りやすかったんですけど、とにかくボリュームが「入るか?これ……」というレベルで(笑)。
とにかくマップが巨大だったんです。マップは最終的に最大6×6の36面にまで増やせるんですが、最初の仕様では最大マップが10×10だったんですよ!そこに作物などを植えた状態でセーブできないといけない。モードも「フリーモード」と「ミッションモード」の2種類があって、最初に試算したら余裕で容量オーバーだったんです。


――……10×10ということは全部で100枚?

佐倉これは申し訳ないんですが、僕が最初に音を上げてしまって……(笑)。とりあえず最初の仕様から優先順位をつけてもらって、無理ならその中から削っていくという手法を取ったんですけど、終盤まで手探りの状態だったのでヒヤヒヤしていましたね。

小林でも、結果的には佐倉さんが頑張ってほとんどの仕様を入れてもらいました。
グラフィックに関しても、にゃんころは動きや表情に加えてかぶりものもあって、それぞれを前後左右の四方向で表現しなくてはいけなかったので、操作するにゃんころだけでもかなりの容量になっているんです。容量の削減については、僕が持つテクニックをすべて使った集大成とも呼べる作品です(笑)。

――メインの「フリーモード」だけでも長く遊べると思いますが、「にゃんころ 不思議な農村」では「フリーモード」で一定の条件を満たすと「ミッションモード」が現れます。「ミッションモード」の内容を簡単に紹介してください。

小林「ミッションモード」は、「30日以内に農作物を30種類集めよう」などのミッション5種類に挑戦するモードなんですけど、「フリーモード」をある程度進めて慣れてきた人がプレイできる、ちょっとゲーム性が高い内容になっています。ただ「ミッションモード」を出現させるまではわりとすんなりいけると思いますよ。

佐倉「ミッションモード」をプレイする時は、ショップで作物の種を購入するだけではなくて、ペットを飼ってマップ内に埋まっている種を探すと効率よく進めることができます。ペットがいる位置の近くには種が埋まっていることがあるので、探してみてください。

――開発者としてこのアプリで特にこだわったところ、ユーザーに注目してほしいところはどういうところですか?

小林にゃんころの動作の4方向を表現するのが大変だったので、ローラーでの整地や掃除機で建物を手入れしているのとか、かぶりものなどもいろいろ試してそのかわいい動きに注目してほしいです。
あとニュース画面が僕はお気に入りです。

佐倉ニュース画面は細かいところまでかなりチカラが入ってます。1日経過するごとに天気予報もちゃんと移動していくんですが、プログラムを作るのは結構面倒なんです(笑)。
しかもキャスターのにゃんころは「くりすて」という名前(笑)。このキャラクターは建物には来てくれないんですけど、61匹目のにゃんころとして図鑑にも登録されるのでぜひ見てやってください。

――「にゃんころ 不思議な農村」の楽しみ方や、オススメの遊び方を教えてください。

小林自由度が高いゲームなので、「フリーモード」でのんびり遊んでもいいですし、「ミッションモード」に挑んでもいいですし、プレイスタイルがいろいろとあると思います。変な作物や建物を一面に並べたり、穴を掘ってマップに絵を描いてみたり、建物で迷路っぽいものを作ったりと本当に自由に遊べますよ。ぜひにゃんころのゆるい世界観を楽しんでください。

佐倉やっぱり「不思議な農村」はコレクション要素が充実しているので、図鑑でおもしろ設定なども確かめてもらいたいです。
このゲームは1日短時間でゆるく遊べるのがいいですね。他のアプリを遊びつつ、思い出したように「不思議な農村」をちょこっとプレイするというスタイルをずーっと継続してもらえるとうれしいです。


©G-mode
小林 光 (G-mode)

「コチラ開発室です」には、「ペパクラ王国2」の開発インタビューに続いて2度目の登場。ゲームアプリの2D/3Dグラフィックデザインを主に担当しているが、企画などもこなすマルチタスク。
実は所蔵ソフト本数1,300本近くという、某レトロゲームコレクターな一面も。
佐倉 良宏 (合同会社イクシール)

1971年生まれ。アーケードゲーム、コンシューマーゲームの開発を経て、現在は主に携帯端末の開発に従事。 ジー・モードのアプリでは「にゃんころ不思議なフィッシング」のプログラムなどを担当。
趣味は映画鑑賞で、最近は特に邦画にハマっているとのこと。
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